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 ふかふかの寝具に寝転がりながら、シェラはその本のページをめくった。見知らぬ単語に出会うと、片手に持った新グルディン語の辞書をぱらぱらとめくり、目当ての単語を見つける。そしてまた本へ戻る。それを何度も繰り返していた。
 その本の名は『民主論』。
 作者不詳にして、今グルディン中を熱病のように席巻している、ある思想の発信源だった。
 その思想とは――国王不要論。
 王なくしても国は成り立つという、今までの考え方の真逆をいくものだった。この国の旧来の思想は『絶対王政』。宗教が決めた国王に絶対的な権力が集中するように、ありとあらゆる権限が国王に付随していた。司法、行政、立憲に、兵権、貿易まで、すべては国王の意ひとつだった。
 その肥え太った権限を細分化し、貴族ではなく民衆の中から優秀な人間を選んで受け渡すべきだという、新しい考え方を提唱したのが、『民主論』だ。
 シェラは『民主論』の折々で触れられる国王や側近たちの不正や間違った選択に、著者と一緒に憤った。また、毎晩開かれている夜会の費用に度肝を抜かれた。この夜会は第二王妃が先代国王に嫁して以来、ずっと続いている悪習で、そのせいで国庫が空になる日も近いとある。あれだけ戦争や重税を繰り返しながらこのていたらく。許されるものではない。
 ――そんなに費用がかさんでいたなんて! 今度夜会で国王様や王妃様たちに会ったら、いったいどんな顔をすればいいのかしら……!
 半分ほど読んだところで、寝台わきの明りが消えた。蝋燭が溶けきってしまったのだ。カイハに新しい蝋燭を取ってもらおうと思ったのだが、侍女を呼ぶには夜が更けすぎていた。きっとカイハも眠っているだろうと思い、シェラは小さな声で呪文を呟くことにした。
「〈かうにごえ、ふこるわ〉」
 ポッと、寝台の辺りに光がともる。魔力だけで作る光には集中力が要るが、光と相性のよい金の飛翔炎を持つシェラには、そう難しいことではない。
 さらに書を読み進み、彼女は溜息にも似た吐息をついた。
 そこには、予言じみた筆致でこうあった。
「『民よ、今こそ革命の時。武器を手に進め』……」
 小さく呟いてから、シェラはその意味をとらえてぞっとした。
 その言葉は、それまでの一見温和な中に鋭い棘を持つ筆致と違い、ひどく浮いて見えた。
「なんて過激な言葉なのかしら……。――でも」
 とても魅惑的だった。この一文には読んだ者の意志を吸い上げ、力へと変える不思議な魅力がある。まるで――乙女を恋に落とす青年の微笑みのように。
 それからもシェラは夢中でページをめくった。
 気がつけば、夜明けの鳥が鳴き出す時刻になっていた。

     ◆

 今日の花飾りは、群青色の花を中心に同系色でまとめ上げた、大人の男性向けものだった。
 シェラはカイハを伴って、いつもの時刻にフェイの部屋を訪れた。一日に一度、彼の胸に花を添えるのが、シェラの日課となっていた。
「でも……これももう、終わりにしなくちゃね」
 シェラは今日、フェイに「今後贈り物は要らない」と伝えに来たのだ。国庫が逼迫しているという事実を知ってしまった彼女は、毎日のように送られてくる贅沢な花束を、罪悪感を持ってしか見ることができなくなっていた。
 ――これが、最後の花飾りになるんだわ。
 そう思うと、手の中の小ぶりな花飾りがいとおしく思えた。
 けれど、フェイは不在だった。会議が長引いているそうだ。
 シェラは、侍従の「室内にてお待ちください」という言葉に促されるまま、執務室にある革張りのソファに腰掛けた。
 カイハが、落ち着いているが高価そうな調度品をじろじろと眺めて、
「いつ来ても手入れの行き届いた部屋ですねぇ」と珍しくシェラ以外へ賛辞の声をあげた。
 シェラはおっとりと首を巡らせて、かたわらに立っているカイハを見上げた。
「それって、侍従の皆さんのお掃除の気合が違う、っていうこと?」
「や、机の上の整然さを見るに、主人の性格でしょう。同じ執務室でも、国王陛下の部屋の机の上ったら見れたもんじゃありませんから。っと、今の発言は無視なさってください」
「…………」
 シェラはカイハの裏情報を聞くときに必ずするように、カイハの存在がないかのように振る舞った。ヘタに言葉を返してしまい、他人に言質を取られてはたまらないからだ。カイハ自ら、こういったときは無視をするように推奨していた。
 ――でも、カイハはいつの間に国王陛下の執務室を見に行ったのかしら?
 小さな疑問に小首を傾げるも、答えはわからない。
 そんな彼女の所作に気付かず、カイハはつらつらと話し続けた。
「噂じゃあ、国王陛下も第二王妃をめとられる前は、真面目な仕事人間だったそうですよ。それが女の手管ってやつかねぇ。今じゃすっかり夜遊びに耽る自堕落な――っとと、こんなもんにしておきましょうか。ここじゃ誰が聞いてるかわかったもんじゃありませんからね」と、口に手を当てて押し黙る。
 シェラは無言で頷いた。
 ――やっぱり、あの本にあったことは本当だったのね……。
 カイハの言ったことは『民主論』にも載っていた。初めは疑い半分だったシェラも、色々とカイハから聞き出してみた結果、あの本の内容は信じるに足ると判断したのだ。城の詳細が書けるということは、著者はきっと城に出入りできる高位の貴族に違いない。その人はフェイを、どうとらえているのだろう。昨晩何度も読み返したが、王太子への記述は一言もなかった。
 色ガラスのはめられた窓から注ぐ夏の太陽光が、部屋の温度を上げていた。
 シェラは小物入れの中から扇子を取りだし、ぱたぱたと仰いだ。魔法で風を作ってもいいのだが、小さな風を作るのはあまり得意ではない。いつも突風を巻き起こし、部屋の中のものをめちゃくちゃにしてしまうのだ。私室でならともかく、他人の、それも執務室でそんな失敗は許されない。
 ――それに、この城の中では使えない魔法かもしれないし……。
 シェラは扇で口元を覆った。
「フェイ様のご用事はもうすぐ終わるのかしら……」
「大臣たちと会議だそうですから、長引くかもしれませんね。出直しますか?」
「ううん。この部屋が好きだから、ここにいるわ」
「承知しました」カイハはさっと目を伏せて、一歩下がった。「少し暑いですね。窓を開けましょう」
 カイハが指をパチンと鳴らして、アーゼン語の呪文を呟いた。
「〈ふろき〉」
 ばっと部屋中の窓が一斉に開いた。
 シェラが眉をひそめた。
「カイハったら。もっと気をつけて」
「わかりました、お嬢様」
 カイハは首をすくめた。
 そのとき、開いた窓から風が入り込み、執務机の上から一枚の紙をひらりと飛ばした。
「……あら?」
 足元にきたその紙を、シェラはなんの気もなく取り上げた。
 達筆な新グルディン語の記された紙は、まだ書きかけのようだった。
「珍しいですね」カイハが横からひょいと顔を出す。「王太子殿下が新グルディン語を書かれるなんて。いつも古グルディン語で読み書きなさっているのに」
「古グルディン語っていうと……、貴族の言葉ってこと?」
「そうです。アーゼンでも皇族と官吏は古語をお使いになっているでしょう?」
「ああ、それは、勉強させられたけど」
 シェラの脳裏にいやな記憶が蘇る。女学生時代の古アーゼン語の試験のことだ。古アーゼン語は象形文字をたくさん憶えなければならず、シェラの苦手分野だった。たしか取った点数は……三十点。
 自然と顔を歪めてしまったシェラには気付かず、カイハは何気なく書面へ目を通した。シェラがグルディンに見つかる前は、カイハはレグナ商店の手代候補だった。読み書きや計算も得意で、新グルディン語なら不自由なく読めるという。
 カイハは突然、ぐっと眉根を寄せた。
「この内容……。本当に王太子が書かれたものなんですか……? いや、筆跡は確かに殿下ものだ。ということは……」
 さあっと、カイハの顔色が青ざめた。
「なんてことだ。お嬢様、あの男、とんだ食わせ者です!」
 「なにが?」と問いただす前に、カイハは彼女の腕を掴んで引き寄せ、書面を指さした。
「ここには『国の真の支配者は国民であるべきで、王族はその代行者にすぎない』とあります。今国中ではやっている、あの本の、写し書きのような言葉で」
「あの本って、まさか……『民主論』のこと?」
「そうです。あの男は王族でありながら、『民主論』の支持者なのですよっ」
 カイハが力を込めて言いきったとき。
「――それには少し語弊があります」
 背後から、涼やかな声がナイフで切り裂くように聞こえた。
「私は支持者ではなく、著者なのですよ」
「フェイ様……」
 シェラが後ろを振り返ると、開いた扉の向こうにフェイが立っていた。
「聞いて……いらっしゃったんですか?」
 シェラがささやくように問いかけた。
 フェイは扉を閉め、顔を強ばらせたまま静かに頷いた。
「ええ。人の原稿を勝手にのぞき見るのは、あまり褒められた行いではありませんよ、シェラ殿」
 穏やかに、しかしはっきりと指摘され、シェラは耳まで真っ赤になった。
「すっ、すみませんっ」
「構いません。貴女に隠したままにしているのは、私としても気が引けましたから」
「――それよりも殿下、あなたがあの本の著者というのは本当ですか?」
 カイハがシェラとフェイの間へするりと入り込んだ。まるでシェラを守るように。
 フェイはすっとカイハを見た。優美な剣のような視線だ。
「はい。私が『民主論』の著者です。そしてシェラ殿の手にしている紙は、その続編にあたるものの原稿です」
 そこまで言って、フェイはその先を言っても良いのか考えながらというように、口を開いた。
「今……刊行されている『民主論』は……どうやら私の思惑を越えて、民に広まりつつあるようです。それを修正するために、急いで続刊を、と言われていまして」
「あの……」
 シェラがおずおずと手を上げた。
「お聞きしてもよろしいですか?」
「なにとぞ、ご随意に」と、フェイは目を伏せた。その表情は苦しげな微笑みに見えた。
「『民主論』には、国王様は必要なくなるだろう、とありました。次期国王であるフェイ様が、どうしてそんなことを思いついたんですか?」
「時期国王であるがゆえに、気付いてしまったのかもしれませんね……」フェイの温かな微笑みが、わずかに歪む。「――あれほど愚鈍な王を冠していても、国が廻っていくという、残酷な現実に」
 シェラは一瞬、言葉を飲み込んだ。
 それから怪我をした相手へ触れるかのように、そっとささやく。
「……それは、貴方のお力添えがあったからこそでは……」
「私の仕事など、誰にでもできるようなものばかりです。王太子わたしである必要などどこにもない」フェイはきっぱりと言い切った。「戦では多少、兵の士気を挙げる効果があるかもしれませんが、それも代役はいくらでもいるというのが現実です」
「ですがっ」
 さらに食い下がろうとしたシェラへ、フェイはそれを制すように微笑んでみせた。ほんのすこしだけ、皮肉げに。
「私があの本で最もしたかったことは、現王への批判だったのでしょう。餓えそうになる度に戦争という名の略奪を繰り返すことも、アーゼンとの国交断裂のまま平気で暮らしていけると信じていることも、毎夜繰り返される夜会も――……すべてが愚かしい」
 低く、感情を抑えた声で紡がれる言葉は、『民主論』の論調とよく似ていた。
「民を富まさずにして何が王か。己が政への批判を逸らせるためだけに、他国を侵略して……――空の国土を増やして、何になる」
 低く抑えた声には、決然とした意志があった。
 ぞくりと、シェラの身の内の何かが震えた。それは魂と呼ばれるものかもしれないし、飛翔炎そのものかもしれない。それが彼の言葉に呼応して、叫び震えるのを感じた。
 シェラは思わずカイハの前へ進み出て、フェイの手を両手で包み込んだ。
「――わたしも、そう思います。このままではいけないと」
「わかってくださいますか」
 彼はいつもの笑みよりも、もっと深く微笑みかける。そこにあるのは、安堵。
 シェラはにっこりとした笑顔でこたえた。
「わたし、この国にきて、二つの恋をしたんです。一つは貴方に。もう一つは『民主論』という、本そのものに」
 シェラは微笑み、両手で包み込んだ彼の大きな手を、胸元へ引き寄せた。それはアーゼンでの古い誓いのたて方だった。
 彼女は美しい声で告げた。
「わたしたちから始めましょう。この王宮を変えるんです。二人でなら、きっとできますわ」
「シェラ……」
 フェイは軽く目を見開き、彼女の瞳の中をまじまじと見た。そこに嘘や偽りがないと知ると、彼は細く長い溜息をつき、毛足の長い絨毯へ片膝をついた。
「本当に……、貴女が陽の民でよかった……」
 シェラの手を額へ押し当て、小さな声で呟く。
「私の婚約者で、よかった……」
 ゆるゆると息をつくその姿は、長い間迷子になっていた子供が、親代わりの――心許せる存在を見つけたときのようだった。まさしく、彼はすでに親を捨てているのだ。
 シェラはフェイの前にしゃがみ込んで視線を合わせると、彼の長い朽葉色の髪をそっと撫でた。彼が泣いているのではないかと思ったからだ。細く柔らかい髪質が心地よかった。
「わたしはすっかり『民主論』に惚れ込んでいるんです。今日も、貴方からの贈り物を減らしてもらいたいと思って、ここに来たんですから」
「それは……」フェイは虚を突かれたように目を見開いた。それからしっかりと頷く。「その通りですね。私が甘かった。肝に銘じておきます」
 それから少し目を伏せ、彼は微笑みを消した。
「……ですが、シェラ。あの本は完全な形ではありません。あのままを信じれば、やがて破滅が訪れるでしょう」
「破滅?」シェラは驚きに目を見開いた。「どうして?」
 フェイは淡々と告げた。
「私が望んだ形を導いていない、ということです。私が王となった暁には、身分を問わず有能な官吏を登用し、王権を小さく裂いて彼らへ分け与え、苗木をはぐくむようにこの国の新しい政権を育てようと思っていました。――ですが、あのままでは、早晩……」
「――民による暴動が起こる、ということですね」
 と、シェラの背後から声がかかった。カイハだ。
 フェイは視線をシェラからカイハへと移した。同時に微笑みの温度が下がる。
「よくわかりましたね」
「こう見えて情報通なんですよ」とカイハは肩をすくめてみせて、「平和ボケしたぼんぼんの甘ったるい理想図かと思いきや、貴方の主張は意外に地に足がついていますね。あの本、誰かの修正が入ったんですか?」
 フェイは厳粛な面持ちで頷いた。
「友人たちの修正が多少、入っています。みな信頼の置ける者たちですが、いかんせん過激な面がありまして……」
「その結果が、『民よ、今こそ革命の時。武器を手に進め』……ですか?」
 シェラが真剣に告げた。あの一文は彼女の心に強く残っている。終始抑えた論調の中で、あの一文だけがくっきりと浮かび上がるような力強さがあったのだ。
 ――あの部分はきっと、フェイ様が書いたのではないわ。
 そう確信できるほどに、あの一文は浮いていた。
 フェイの視線が戻ってくる。そこには苦渋に似た微笑みがあった。
「あそこは、本来は『民よ、今こそ手を取り合って進め』でした」
 「覇気が足らないと言われたので……」と、フェイは肩を落とす。
 シェラはそれだけで察知した。
「そのことを、フェイ様は後悔してらっしゃるんですね」
「ええ。あれを信じた若者たちが、もし暴動を起こすようなことがあれば……私の責任ですから」
「――フェイ様」
 シェラは思わず呼びかけていた。
「そんな物騒な時代が、これから訪れるというのでしょうか?」
「ええ」フェイは視線を落として真剣に頷いた。「その件については、実際に目で見、肌で感じるのが一番でしょうね」
 フェイはシェラから離れて執務机に近づくと、手帳をぱらぱらとめくり、予定を確認した。それからこちらを振り向く。あたたかな、けれどしたたかさのある微笑みが彼女をとらえた。
「すべてをお見せしましょう。明日の午後は空いていますか?」
「はい」
「では、正午過ぎにエントランスでお会いいたしましょう」
 そう言って、彼は目を伏せた。
「――あの」
 シェラは黙礼して別れようとするフェイを遮り、その腕を取った。
「あの、よろしければ……ですけれど、その続編の原稿を読ませていただけませんか?」
 フェイは一瞬、きょとんとシェラを見た。
「この……書きかけを、ですか?」
「はい。実はその……」
 シェラは赤面し、もじもじと指をいじった。
「待ちきれないんです。その、続編が」
 フェイは一瞬不思議そうに、瞬きをして、それから嬉しそうに微笑んだ。
「いいですよ。まだほんの書きかけですが、お気に召していただけたら幸いです」
 そう言って、フェイは薄い紙の束をシェラへ差し出した。
 彼女は素早く受け取り、両手でぎゅっと抱きしめた。
「明日の朝までにはお返ししますね。――やったぁ!」
 そのまま浮かれ気分で部屋を出たシェラが、花飾りを渡しそびれたことに気付いたのは、彼の部屋を後にしてしばらく経ったころだった。

     ◆

 『――では、真に求められる指導者とはなんであろう。言葉を巧みに操る者か、金の回し方がうまい者か、兵を動かすことに長けている者か』
 シェラは自室の机に覆い被さるようにして、続編の原稿を読みあさった。その集中力は、カイハが冷めた紅茶を三回も取り替えたのに気付かないほどだった。
 『筆者に言わせれば、答えはすべて否であり、また是でもある。これらの要素をまったく持たない者が今の民を導くことは不可能だろう。いずれ民が学び、社会全体が成長すれば、このような才能は求められなくなるかもしれないが』
 シェラはこくりと頷いた。『民主論』にも見られた皮肉げな筆致が色濃くなっている。あの彼にそんな側面があったのだと知り、微笑ましくなった。
『どれも欠くことなく、その上で著者はもう一つ才能を望みたい。それは、人々の心――その抱えた欲望を見抜くことができることだ。民が今何を望み、何を糾弾し、いかなる未来を描いているのか。上流の貴族だけでなく、民の末端を構成する物乞いたちの心の中まで見透かすことが出来る者に、我々は自らの運命を託すべきではないか――』
 そこで、原稿は唐突に終わっていた。
「……すごいわ」
 シェラは紙から顔を上げ、思い出したかのように息を吸った。
 机の上で原稿を整えながら、シェラは今までにない心境になっていた。この原稿を書いたのが自分の婚約者であることが誇らしい。いち早く読めて本当に嬉しい。いいや、それだけではなく……。
「この本は、何があっても出版されるべきだわ……。ううん」
 軽く首を振り、確信を持って呟く。
「なんとしてでも、必ず出版させるわ」
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